And Q.

思ったことを書きます

Flowers Unfold Re:Bloom【夏コミお疲れさまでした Vol.2】

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コミックマーケット96お疲れさまでした。死ぬほど暑くて大変でしたね…。生きててよかった。

さて、僕はラクエスクとしては2年ぶりの音楽CD『Flowers Unfold Re:Bloom』を頒布しました。 CDを出すときに長々と文章を書くのが恒例化しているので、もちろん今回もやります。 せっかくなのでこれまでのものもおさらいしておきましょう。

2014: Flowers Unfold http://rooandqoo.hatenablog.com/entry/2014/08/14/004510

2015: Euphoric Tourism http://rooandqoo.hatenablog.com/entry/2015/08/25/004601

2016: Delicious Solaris http://rooandqoo.hatenablog.com/entry/2016/08/16/002610

2017: Crimson Raincoat http://rooandqoo.hatenablog.com/entry/2017/08/28/235730

それではいきます。例によって製作者の考えとかを見るのが苦手な方はブラウザをそっと閉じて下さい。 興味のある方はクロスフェードを聞きながら(CDをお持ちの方はそちらをぜひ)、続きを読むを押してくださいませ。

www.youtube.com

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【お詫びと訂正?】夏コミお疲れさまでした Vol.1

今年も夏コミお疲れさまでした〜〜〜!!令和最初でめでたいね!! わたくしは2年ぶりにルーアンドクーの音楽CDをつくらせていただいて、これがまたすごくいい出来なんですよ。

でまあ、毎回レビューというか「こういう気持ちで作りました」みたいな記事を書いてるんですけど今回も書きます。

書きますが、1点、その前にお詫びがございまして CDを外したその内側、インレイっていうんですけど、そこに描いてあるイラストの上に、うっすーーーーーーーーく文字を乗せたつもりが乗っていなかったので、 この記事で本当はなんて書きたかったのか、書きます。 気になる人だけ「続きを読む」を押してください。

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”Ring”開催に寄せて

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去る2019年3月23日、「beatmania IIDX 20th Anniversary Party "Ring"」というイベントが開催された。

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IIDXに触れて15年、不思議な縁により公式のイベントに関わらせていただいたので、記憶だけでなく記録にも残しておきたくなり、今この記事を書いている。

2004年、友人が持ってきたCSの5th Styleに衝撃を受け、

2005年、初めて筐体にカードを通し、

2010年、Twitterの力で友人がたくさん増え、

2012年、好きが高じて情報サイトなどを立ち上げ、

2017年までに12回の大会を開催。気づけば色々やっていた。

ちょうどbeatmaniaが20周年を迎え、先人たちがとんでもないイベントを開催して、ハンマーで後頭部を殴られるような衝撃を受けた。 そして2019年の来る20周年に向けて、なんとなーく何かやりたいと思っていた。

いつもお世話になっているハナダさん、DOLCE.さんに、軽い気持ちで相談を持ちかけたところで、「何かやろう」という話になった。 DOLCE.さんはプロとして、我々と公式の橋渡しをしてくれた。

気がつけばイベントは公認から公式へと昇華し、名前と会場と催し物が決まり、展示するアイテムの手配や、トークショーの人選、連絡、台本、スライドの手配、Webの構成など、自分にできることをたくさんやった。 その間、「今自分はプレイヤーとして貢献できていないのに、こんなイベントを手伝う資格はあるのか?」と悩んだりもした。 デザインの発注周りや、連絡不肖で沢山の人に迷惑をかけた。

そして開催前日、出来上がった展示スペースにまず感動した。 周年イベントをやるなら、これは絶対にやりたいと思っていた。人に頼ることが前提の企画だったが、快く協力してくれた皆さんに多大なる感謝を述べたい。

開催当日、朝の時点で人が集まっていることを知り驚いた。 会場キャパの問題で、急に整理券方式に切り替えてしまったことは申し訳なく思った。

当日のボランティアスタッフとして集まってくれたメンバーと朝会をした。 前日で準備しきれなかった問題を解決してくれたり、イベントがよくなるようにそれぞれ動いてくれた。 こういう催しに慣れたメンバーが多かったのは、非常に心強かった。

選手が入ってくる。彼らの中には、僕のことを知っている人もいる。久しぶりに挨拶を交わした人もいた。 だがほとんどの人は、自分のことなど名前も知らないだろう。 過去に大会を主催したときは、前のめりに名乗ったりもしたものだった。 しかし今は、名もなき運営のひとり。必要以上に前に出ることはないだろうと、自分を諌めた。

一般入場の人たちが入ってくる。 展示物を見て「すごい」と声を漏らす人々。その一言に何度も胸がすいた。 自分が好きで、一緒に歩んできたゲームの歴史を、今ひとたびその目に焼き付けて欲しい。 その想いが届くかどうかはわからないが、少しでも人の心を動かせたなら、嬉しい。

ドリームマッチが始まる。 日韓の選ばれしプレイヤーたちによる、感動的な一幕。 自分は決してあの舞台に立つことはないだろう。 だが、間接的に、あの舞台を作り上げることに関わることができるというのは、それはそれで貴重な体験だ。

トークショー。 人選のバランスが非常によく、全体の構成も良かった。 「IIDXが見せてくれる未来」というテーマは、僕の中からは出てこない一文だった。 これが決まったから、全体の流れが引き締まったような気がする。 時間が許しさえすれば、永遠に話を聞いていたい。そう思うくらい、夢のような時間だった。

そして、テーマソング。 ここでは大きくは触れないが、Hommarjuさん、本当にありがとうございました。

イベントが終わる。 まずは何事もなく、無事に終わったことに安堵する。 片付けをして、帰路につく。 片付け中にも、スタッフの間には笑顔が溢れていた。本当に、良かった。 Twitterを見ても、満足してくれたようなコメントをしている方が多くて安心した。 長時間座らせてしまったり、会場が狭かったり、暑かったり、至らない点もたくさんあったと思う。 だけどまず、内外問わず関わってくれた人全員にお礼が言いたい。 ありがとうございました。

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そしてイベントから二晩経ち、その間こんなことを考えていた。

主催がいて、会場があって、運営がいて、演者がいて、それを見に来る人がいて。 「みんなが主役」と言えば聞こえはいいが、運営スタッフに目を向けられることは、ほとんどない。 この箱の中で、自分は主役ではない。当然である。

自分が胸を張って「主催です」と言えるStratosphereでさえ、自分は「主役」であるとは思っていない。 自分がすごいと思う人達が協力してくれる。それは本当にありがたくて、頭が上がらない。 人を集める力がある「彼ら」のお陰で、自分はここに立っていられる。

もうすぐ生まれて30年経つが、すっかりそういう生き方が染み付いてしまって、「自分」の自信がどんどん減っていく。 「人を動かせるのはすごい」と言われても、「それは動いてくれる人がすごいんだ」と返してしまう。 自分から影に隠れようとしているのに、影の中にいる自分を見て欲しい、という矛盾を孕んだ欲望が、常に付きまとっている。

去年はこの呪いに支配されて、自分のための創作を含め、何もできない時期があった。 今は回復しているものの、きっとこれは一生根に持つタイプのそれだと感じていて、本当に面倒くさいヤツだなと思う。 こんな僕によくしてくれる人たちは本当にすごい。一生尊敬します。

そして最後に、Ringを通して、この感情と向き合って気づいたことが一つ。 自分の人生における主役は自分なのだ。そう言い聞かせて、この記事を世に放たせていただく。